
「強みを知って強みを活かす」オシムさんからの学びを親子に伝える
「僕も中学生のころはまったく試合に出られませんでした」―佐藤勇人
サッカーをプレーする子どもたちと保護者に向けて、イビチャ・オシムさんに学んだオシムチルドレンたちがそれぞれの想いを伝えるイベントを実施しました。
【強みを知って、強みを活かす】
JAPANIZE FOOTBALLはイビチャ・オシムさんの命日がある5月に毎年、オシムさんを偲び、学びをつなぐためのイベントを実施しています。
2025年5月31日、千葉県千葉市のフットサル施設を会場にイベントを実施し、小学4年生から中学1年生のサッカーをプレーする子どもと保護者16組が参加しました。
アンバサダーの佐藤勇人さん、羽生直剛さんのほか、岡本昌弘さん、工藤浩平さん、市原充喜さんといったオシムさんから学んだメンバーのほか、性格診断の専門家であるディグラム・ラボの木原誠太郎さんが参加しました。
イベントは2部構成で、まず子どもと保護者に事前に受けてもらったJAPANIZE FOOTBALL独自の性格診断をもとに、自分の強みを知って強みを活かすことの大切さを伝えるトークイベントを実施しました。
診断は20問の質問に答えることで統計に基づいた性格の特徴を知ることができる「ディグラム診断」をもとに開発したもので、性格の特徴とサッカーに向き合う際のアドバイスをお伝えしました。
診断のプロである木原さんからの解説をお伝えしたうえで、羽生さんから自身のキャリアに影響したオシムさんの言葉たちを紹介しました。
特に大切にしているのが、「もっと上を見ろ、空は果てしない」という言葉です。
羽生さんが現役を引退したあと、オシムさんに会いに行った際に贈られた言葉で、サッカーから離れて起業するという決断を伝えた時、活躍する場所は変わっても上を目指せと羽生さんの背中を押してくれたそうです。
羽生さんは「もちろんサッカー選手を目指して頑張っていると思いますが、何に取り組むのであっても上を目指して取り組んでほしいと思います」と、参加者たちに呼びかけました。
【チルドレンからのアドバイス】
その後、参加した子どもや保護者から質問を受け、オシムチルドレンたちが答えました。
「子どものころどんなことを心掛けてサッカーと向き合っていましたか?」という質問に対して、工藤さんは「サッカーはもちろん、ほかの運動でも、どんなことにも夢中になって遊んでいました」と答えました。
一方で羽生さんは、自身が子どものころ、公園で自分なりに考えた練習メニューに取り組んだことを紹介し、「与えられるだけではなく、練習メニューの意味や意図をしっかり意識することが大切で、一つ一つの練習にどれだけこだわるか。プロになった時に差になったと思います」とメッセージを送りました。
また、「挫折のような体験をしたとき、例えば試合に出る機会が得られない子どもたちは、どう気持ちを持てばいいですか?」という質問も出ました。
勇人さんは「僕もそもそも小学生のころジェフの選抜に落ちて挫折していますし、中学1年生2年生のころ、双子の弟の寿人も僕もまったく試合に出られませんでした」と自身の経験を伝えたうえで、Jリーグで得点王にもなった佐藤寿人さんのエピソードを紹介しました。
「身長は高くないが、高くないからこそペナルティーエリアの狭い空間でワンタッチでゴールを決められるようになった。今、評価されていないと感じたら、自分の弱みになっている部分を強みと捉えて頑張ってほしい」と、自分の強みに気づくことの大切さを伝えました。
【体と頭を動かす】
その後、子どもたちを対象にした、サッカークリニックを実施しました。
オシムチルドレンたちが考えた色とりどりのビブスを使った練習メニューで、まずは簡単なパス回しから始めて、徐々にパスを出せる相手のビブスの色を限定したり、ボールを増やしたり、ルールを複雑にしながら、体と頭を動かすメニューです。
肌寒い日でしたが、子どもたちは大きな声でパスを呼んだり、スペースを見つけて走ったりして、全力での楽しんでいるようでした。
最後は、オシムチルドレンたちとのミニゲームも実施し、子どもたちは元日本代表選手にも負けじと必死にプレーしていました。
参加した子どもからは「練習を通して、周りを見る意識がついた」とか、「性格診断が当てはまっていると感じたし、オシムさんのお話をたくさん聞けてよかった」といった感想が寄せられました。
また、保護者からは「性格の特徴とサッカーを組み合わせた話が興味深かった」とか、「強みを知ることの大切さに気づきました」といった感想をいただきました。
指導してくださったメンバー
【「日本サッカーの日本化」をともに】
JAPANIZE FOOTBALLはこれからも、子どもたちや保護者の方、サッカーを指導する方などを対象に定期的なイベントを実施するほか、情報発信も強化していきます。
また、「日本サッカーの日本化」、オシムさんからの学びをつなぐという想いに共感してくれる方々と共に活動するため、6月からはメンバーシッププログラムも開始しました。
メンバーシッププログラム『JAPANIZE FOOTBALL FAMILY』のご案内
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