オシム監督と日本サッカーの未来をつなぐ モニュメント設立
オシムさんはかつて率いたチームのホームスタジアムの前に、日本にいたころより少しだけ若々しい姿で立っていました。
JAPANIZE FOOTBALL発起人でもある佐藤勇人さんは、オシムさんに「野心を持ってチャレンジします」と決意を伝えました。
6月24日、千葉市のフクダ電子アリーナ前でイビチャ・オシムさんのモニュメントがお披露目されました。
オシムさんがかつて率いたジェフユナイテッド市原・千葉が去年亡くなったオシムさんの功績と記憶をつなぎたいとクラウドファンディングを企画し、オシムさんへの想いを持った多くの人たちから1500万円以上の資金が集まりました。
完成したオシムさんの等身大のモニュメントは、ジェフや日本代表を指揮していたころよりも少しだけ若々しく、スタジアムを訪れる人たちに柔らかな笑みを向けているようでした。
除幕式には千葉市の神谷俊一市長や、日本サッカー協会の田嶋幸三会長が出席したほか、オシムさんの妻のアシマさんと息子のアマルさんもボスニア・ヘルツェゴビナから来日し、式に参列しました。
式では神谷市長が「多くの市民に夢と希望と感動を与えてくれ、日本サッカー界に大きな影響を与えてくれた」と感謝を伝え、「日本サッカーをここから見守ってほしい」とあいさつしました。
また、日本サッカー協会の田嶋会長はこんなふうにオシムさんとの思い出を振り返りました。
「日本サッカーが強くなってきた中で重要だったのが、オシムさんの『日本化』という言葉です。オシムさんは『なんで日本らしくしないんだ』とガツンと言ってくれた。そこから日本は少しずつ世界に通用するようになったんです。改めて、オシムさんにありがとうと伝えたい」
アマル・オシムさんも父親のモニュメントの横で「父が命をかけて取り組んだ仕事が報われた瞬間です。驚かされるのは、(ジェフの)サポーターや市民が私たち家族を今でもあたたかく迎えてくれることですね」と話しました。
式の最後には、ジェフのCUOであり、JAPANIZE FOOTBALLの発起人でもある佐藤勇人さんがメッセージを伝えました。
「クラウドファンディングへのご協力、本当にありがとうございました。オシムさんは『ファンは君たちのプレーを見るために人生を削って来てくれている』と話していました。モニュメントを建てて終わりではなく、皆さんの想いを受け止めて、野心を持ってチャレンジしていきます」
除幕式が終わったあと妻のアシマ・オシムさんが「モニュメントが完成してうれしいけど、同じくらい悲しい気持ちもあります」と率直な気持ちを教えてくれました。
そして、もしオシムさんがモニュメントを見たらどう感じるだろうかと聞かれると・・・
「『なんで俺の銅像なんて作るんだ。もっとふさわしい人がいるだろう』って言うかもしれませんね」
この日、フクダ電子アリーナで行われたジェフ千葉のホームゲームの試合前、ピッチ上でJAPANIZE FOOTBALLの活動をご紹介する機会をいただき、発起人の佐藤勇人さんとアンバサダーの羽生直剛さんから、スタジアムに集まったサポーターにプロジェクトをご紹介しました。そして、アマルさんからもエールをいただきました。
ジェフユナイテッド市原・千葉の皆様、素晴らしい機会をいただき、ありがとうございました。
スタジアムでJAPANIZE FOOTBALLの動画も放映
実はこの日、せっかく来日したアマルさんにじっくりお話を聞きたいと、佐藤勇人さんがアマルさんにインタビューしました。
かつて父から引き継ぎジェフの監督を務め、欧州でも指揮を執ったアマルさんが考える「日本サッカーの日本化」。そして、父としてのオシムさんについて話していただきました。
対談の様子は、JAPANIZE FOOTBALL公式サイトで近日公開します。